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クールなガッキー先生【映画レビュー】『くちびるに歌を』あらすじ&感想(ネタバレ無し)

2020/04/02

TSUTAYA DISCASのレンタルDVDで映画『くちびるに歌を』を観たので、その鑑賞記録です。

映画『くちびるに歌を』

画像:映画『くちびるに歌を』公式フェイスブックより

あらすじ

長崎は五島列島にある小さな島へ向かう船に、一人の長い黒髪の若い女性が乗っていました。

映画『くちびるに歌を』

彼女の名は、柏木ユリ(新垣結衣)。

固く結んだ唇や遠くを見つめる目には、どこか悲しみを含んだような憂いを感じさせ、望んで島へと向かっているようには見えない様子でした。

一方、新学期の始業式に遅れないようにと急いで家を飛び出したのは、島で祖父母と3人で暮らす女子中学生の仲村ナズナ(恒松祐里)。

学校へ向かう途中で、いつものように教会に立ち寄って祈りを捧げる彼女は、同じく静かに座っている女性に気づきます。

映画『くちびるに歌を』

画像:映画『くちびるに歌を』公式フェイスブックより

その女性は船を降りて教会に来ていた柏木ユリだったのですが、彼女は声をかけるナズナを無視するかのように無言で出て行ったのでした。

登校したナズナを待っていたのは、今日から赴任する臨時の音楽講師の噂話。

元々音楽の授業を受け持っていた松山先生(木村文乃)が1年間の産休を取るため、その代理として島の外から臨時の講師がやって来るのです。

噂によるとその人は東京で活動していた有名な女性ピアニストらしく、しかもナズナが部長を務める合唱部の顧問も担当することになっているのでした。

期待と不安を胸に始業式を迎えるナズナでしたが、そこで紹介された噂の講師は、驚いたことに今朝教会で見かけたあの女性。

その後、音楽教室に集まった合唱部の生徒達の前で松山先生に紹介され、

「柏木です、適当によろしく」

と、やはり無愛想に自己紹介をする彼女を見て、ナズナは嫌な予感しかしないのでした。

ところがそんな柏木でも、若くて美しいその容姿に惹かれる男子生徒達は多く、彼女だけを目当てに合唱部への入部を希望する者まで出てくる始末。

これまで女子生徒だけでやってきたナズナ達は、そんなことを気にもかけずに男子生徒達の入部届けを受理した柏木に抗議します。

映画『くちびるに歌を』

不純な動機で入部してくるような男子がいては、「全国学校音楽コンクール」への出場を目指して頑張っている部員達の和が乱れると苦情を言うナズナでしたが。

「そんなに言うなら好きにしなさい」と、捨て台詞で顧問の担当を放棄してしまう柏木。

顧問がいなくては成立しない部活を守るため、渋々ながら男子生徒の参加を受け入れるナズナ達に、柏木は一方的に、

「私の言うことに従うこと、口答えはしないこと、質問も禁止」

との条件を出し、しかも「こんな所で弾くのは私の腕がもったいない」とピアノの伴奏まで拒否するのでした。

こうして始まった柏木と合唱部との関係ですが、もとより赴任前に話も無く突然押し付けられた顧問の仕事なので、柏木のやる気の無さは相変わらず。

映画『くちびるに歌を』

画像:映画『くちびるに歌を』公式フェイスブックより

松山先生からの指示とのことで、部員達に「歌詞の意味を理解するために、15年後の自分に宛てた手紙を書く」という宿題を出すのですが、自分でもその手紙をチェックするつもりも無く、

「この宿題は提出の義務はありません」

と言い渡して、そのまま忘れていました。

ところがあるとき、書類の束の中に紛れ込んでいた1枚の原稿用紙にフト目が留まります。

それは男子部員の一人、桑原サトル(下田翔大)が提出した「15年後の自分に宛てた手紙」でした。

クラスでも目立たず、合唱部に入部したきっかけも偶然だったサトルでしたが、他の部員の誰よりも真面目な彼は一人だけ宿題を提出していたのです。

そしてその手紙には、自閉症の兄を持つ自分の境遇や、兄や家族への優しく切ない思いが書き綴られていました。

映画『くちびるに歌を』

それを読んだ柏木の心の中で、何かが動いたようです。

実は柏木も辛い過去を抱えて、生まれ故郷であるこの島へと帰って来たのでした。

映画『くちびるに歌を』

感想

ガッキーこと新垣結衣がクールビューティーな先生役を演じている映画ですが、主役はむしろ生徒達のほうと言える作品になってます。

特に自閉症の兄を持つ桑原サトル役の下田翔大という子役さんは、か細い体でありながら実に存在感のある演技で観るもののハートをつかみますね。

合唱部を描いた作品ですから、このサトルや部長のナズナを含めて生徒達が歌うシーンが多いんですが、全員で半年もの合唱練習をしたそうで。

この映画のテーマでもある、 アンジェラ・アキの『手紙 ‐拝啓 十五の君へ‐』を歌うシーンなど、みごとなコーラスを聴かせてくれます。

練習と言えば、ピアニスト役を演じる新垣結衣さんも3ヶ月のピアノの特訓を受けたそうで、それまでまったく経験が無かったとは思えないような演奏シーンを演じてますよ。

ストーリーは、それぞれ辛い事情を抱える大人や子供達が、合唱の練習を通じたお互いの関係の中で強く成長していくという、ある意味でお涙頂戴の王道といった感じではあります。

王道ですから、結末もこうなるだろうなと思った方向へ落ち着くので、安心して自分の感情に浸ることができますし、こういう話を素直に受け取ることのできる人は感動できること請け合いです。

私も涙こそ流しませんでしたが、最後まで観終わったときに良い話だなと思えましたよ。

最近の日本映画にしては珍しく2時間を越える長尺ですが、こういったストレートな感動話が嫌いでなければ、最後まで飽きずに楽しめる作品ですね。

それから桐谷健太さんが、柏木に好意を抱きつつ合唱部をサポートする先生役を演ってまして、出番は多くないですがコミカルで良い味出してます。

さらに柏木の恋人役として鈴木亮平さん、そして消防職員として前川清さんが、それぞれ電話の声だけでの出演をしてますので、そのへんも注意してみると面白いでしょう。

ちなみに、映画のタイトルにもなり劇中でも額に飾られている「くちびるに歌を」という言葉ですが、これはドイツの詩人ツェーザル・フライシュレンの詩を山本有三が訳したもので、

苦しんでいる人、なやんでいる人には、
こう、はげましてやろう。
「勇気を失うな。
くちびるに歌を持て。
心に太陽を持て。」

という一節からの引用だそうで、なかなか良い言葉ですね。

作品データ

●監督
三木孝浩

●出演者
新垣結衣
恒松祐里
木村文乃
下田翔大

●日本公開年
2015年

●上映時間
132分

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