可愛いウサギの大活躍!【映画レビュー】『ズートピア』あらすじ&感想(ネタバレ無し)
2020/04/02
TSUTAYA DISCASのレンタルDVDで映画『ズートピア』を観たので、その鑑賞記録です。
画像:映画『ズートピア』日本公式サイトより
あらすじ
小さなウサギの女の子ジュディ・ホップスは、この世界をより良くしたいとの思いから正義と平和のために働く警察官になるのが夢でした。
いじめっ子のキツネにバカにされ、農園で野菜を作りながら穏やかに暮らす両親から反対されながらも、ジュディは夢をあきらめることはありません。
それから15年後、彼女は小さな体のハンデをものともせず警察学校を知恵と努力でついに主席で卒業し、念願だった大都会ズートピアで警察官として働くことになったのです。
画像:映画『ズートピア』日本公式サイトより
高鳴る気持ちでやって来たズートピアは、草食動物も肉食動物も、小さな動物も大きな動物も、誰もが争うことなく互いに尊重しあって生活している社会。
画像:インターネット・ムービー・データベースより
一人暮らしを始めたアパートは、とても居心地が良いものとは言えませんが、それでもジュディは警察の仕事への期待で胸が一杯でした。
ところが勤務初日の朝、署長が各警察官に失踪事件の捜査の任務を指示する中で、ジュディに与えられたのは交通違反の取締りの仕事。
抗議するジュディに署長は冷たく「100件の取締りをして来い」と言い放つのでしたが、ジュディは逆に「午前中だけで200件取り締まってみせる」と意気込んで出て行きました。
画像:インターネット・ムービー・データベースより
そして持ち前の負けん気でアッというまに200件の違反を取り締まったジュディは、そのときキツネの親子がゾウのアイスキャンディー屋で困っているところを目にします。
小さなキツネをバカにしてアイスキャンディーを売ろうとしないゾウの店員に、売ってやるようにと料金まで肩代わりしてジュディはその場をとりなしてやるのでした。
良いコトをしたと満足したジュディでしたが、そのキツネが手に入れたアイスキャンディーを溶かして小さく再加工し、金儲けのために小動物達に売りつけているところを発見。
自分が騙されたのだと気づいて詐欺だと問い詰めるジュディでしたが、キツネは達者な口先で言い逃れて彼女の前から姿を消してしまいました。
これがジュディと、キツネのニック・ワイルドとの出会いでした。
画像:インターネット・ムービー・データベースより
あるときジュディは、相変わらずの交通違反の取締りの最中に、イタチのコソ泥が花屋で盗みをはたらいて逃げているところに出くわします。
まさに自分の出番と張り切って泥棒イタチを追いかけ、激しい追跡の末にようやく捕まえて意気揚々と署へと戻ったジュディ。
ところが取り返した盗品は価値の無さそうな腐った球根のようなもので、しかも追跡の際に生じたアチコチの被害や迷惑のために署長から大目玉をくらいます。
と、そこへ行方不明になった夫を探して欲しいと署長に直訴しにやって来たカワウソ夫人と、所用でたまたま署に来ていたヒツジの副市長。
画像:インターネット・ムービー・データベースより
副市長の手前、カワウソ夫人の依頼を断りきれない様子の署長に対して、ジュディは自分が捜査するとその依頼を買って出ます。
結局48時間以内に解決しなければクビだという条件付きながらも、その行方不明事件の捜査を任されることになったジュディですが、捜査資料として渡されたのは写真1枚のみ。
ただ、そこに写っていた行方不明になったカワウソの持っていたアイスキャンディーに、ジュディは見覚えがありました。
詐欺師のニック・ワイルドが売っていた、例のアイスキャンディーだったのです。
これを唯一の手がかりと見たジュディはニックを探し出し、言うことをきかなければ脱税の罪で逮捕すると脅して彼に捜査協力を要求。
こうして2人は一緒に、この行方不明事件の解決に向けて捜査を開始したのでした。
画像:映画『ズートピア』日本公式サイトより
感想
世界的に評価の高いディズニーアニメで、日本でも評判が良く興行成績の高かった映画です。
この作品の中には人間は一切出てこず、すべてのキャラクターが擬人化された動物達になっているのですが、その毛の1本1本まで細かく描かれた作画の質の高さでも評判を呼びました。
作中の社会は、肉食動物や草食動物が共存する理想的なある種ユートピアになっていますが、やはり一部の動物同士の間では反目があったり差別の描写もあります。
そういった部分から、人間社会での差別を中心とした社会問題を描いているとも言えますが、単純に動物を主人公としたアニメ映画として子供でも楽しめるようにできているところが良いですね。
物語はウサギの警察官とキツネの詐欺師が協力して事件を追う、バディものの事件解決ドラマとなっていますが、謎解きものとしてはストーリー展開が少し雑な感じもしました。
というのも事件解決のキーとなるのがジュディが逮捕した泥棒イタチが盗んだものなのですが、これが「ミドニカンパムホリシシアス」というクロッカスの一種の球根で。
物語の終盤でソレがただの腐りかけの球根ではないことが分かるのですが、最初にその球根が話の中に出て来た場面があまりにもアッサリし過ぎてて、観客にはその重要さが伝わりにくいんですよね。
さらに、ラストにかけてジュディ達が事件解決にたどり着くまでの流れが唐突過ぎることもあって、観客が事件について推理する余裕がほとんど無い展開になってるんです。
そのためジュディ達が追う失踪事件の真相や黒幕について、謎解きをしながらストーリーを楽しむという面では、あまり満足できない印象もありましたが。
とはいえ、登場する各キャラクターがどれも魅力的で笑えるシーンも多く、普通のファミリーアニメとしては十分に楽しめる作品でしたね。
世界的に大評判になったというのも、納得のできる良質な映画でしたよ。
作品データ
●原題
Zootopia
●監督
リッチ・ムーア
バイロン・ハワード
ジャレド・ブッシュ
●日本公開年
2016年
●上映時間
108分