無垢なる乙女が戦う女性へ【映画レビュー】『ワンダーウーマン』あらすじ&感想(ネタバレ無し)
2019/10/17
劇場で映画『ワンダーウーマン』を観たので、その鑑賞記録です。

画像:映画.comより
あらすじ
フランスにあるルーブル美術館で働くダイアナ(ガル・ガドット)のもとへ、ブルース・ウェインからの荷物が届きます。
中に入っていたのは古い写真の原板で、そこに写る自分と男たちの姿を眺める彼女の思いは、遥か遠い過去の記憶へと遡るのでした。

画像:インターネット・ムービー・データベースより
時は100年ほど前、太平洋のどこかにあるセミスキラという島でのこと。
活発で戦士になることを夢見る幼いダイアナは、世間から隔たれた島で女性だけで暮らすアマゾン族の女王ヒッポリタ(コニー・ニールセン)の娘でした。

画像:インターネット・ムービー・データベースより
彼女は、女王の妹でもある最強の女戦士アンティオペ将軍(ロビン・ライト)に憧れ、自分も戦いの訓練を受けたいと願いますが、女王はそれを許しません。
あるときダイアナは寝物語に、島に昔からある古い言い伝えを聞きます。
かつて、万能の神ゼウスが創った世界は平和と愛に満ちていましたが、息子である軍神アレスによって人間は悪い心を持ち、戦い殺し合うようになってしまいました。
これを正すためゼウスは自らの手でアレスを倒し、さらにやがて復活するであろうアレスを再び倒すための道具として、「ゴッドキラー」という神を殺すことのできる剣をアマゾン族に与えたのです。
そしてアマゾン族はこの剣を守りながら、誰にも見つかることの無い島に隠れて、これまで生き続けてきたとのこと。
この話を聞き実際にゴッドキラーも目にしたダイアナは、島や剣を守りいつか復活するアレスを倒すためにも自分は強くなりたいと、母親に隠れてアンティオペ将軍に武術を習うことに。

画像:インターネット・ムービー・データベースより
やがて、そんな彼女の思いを知った女王も、渋々将軍と娘を許すのでした。
年月は流れて美しく成長したダイアナは、将軍をも倒せるほどの強い戦士へと育っていました。
そんなある日、島の岸壁に立ち海を眺めるダイアナの視界に突然現れた戦闘機が、そのまま制御を失って海面へと墜落します。
考える間も無く、その戦闘機を追って海へ飛び込んだ彼女は、意識を失って機と共に沈みつつあった男(クリス・パイン)を救い砂浜へと引き上げました。

画像:インターネット・ムービー・データベースより
初めて目にする「男性」を興味深そうに見つめるダイアナでしたが、そこへさらなる侵入者たちが。
アマゾン族が暮らす島は深い霧によって包まれ、外からは存在を知られることの無いよう守られていました。
ところが、偶然その霧を突き抜けた戦闘機を追って来た軍艦が、同様にして島のカモフラージュを通り抜けてやって来たのです。
船から下りてきたドイツ兵たちに追われる男を守ろうとしたダイアナは、銃を持った大勢の兵士たちと戦うことになってしまいます。
さらに、この事態に気づいたアマゾン族の女戦士たちも駆けつけ、海岸は銃弾や弓矢の飛び交う激しい戦闘状態に。
ようやくドイツ兵を殲滅したアマゾン族でしたが、戦いの中で命を落とした者もありました。
ダイアナを庇って銃弾に倒れた将軍もその一人。
叔母でもあり武術の師でもある彼女を失い、ダイアナは悲しみにくれます。
一方、戦闘機に乗っていた男は女王の下で尋問を受けることに。
男は頑なに自分の素性を話そうとしませんでしたが、捕らえた者に真実を告白させる事ができるという神秘的なな力を持つ「真実の投げ縄」には逆らえませんでした。

画像:インターネット・ムービー・データベースより
縄に巻かれた彼は、自分がアメリカの軍人スティーブ・トレバーであることや、ドイツ軍の秘密を盗み出すためにイギリス諜報部に協力していることを話します。
彼は、ドイツ軍の研究施設で極秘に開発されていた新型の毒ガスの資料を盗み出し、その逃亡途中でこの島にたどり着いたのでした。
その話から、島の外の世界では恐ろしい戦争が起きていて、多くの人々が傷つき命を失っているという事実を知り、ダイアナは大きな衝撃を受けます。
そして彼女は、その戦争こそ蘇った軍神アレスが原因に違いないと確信。

画像:インターネット・ムービー・データベースより
資料をイギリスに届けなければさらに大きな惨劇が起きると言うトレバーと共に、島を出てアレスを倒しに行くと女王に願い出ますが、ダイアナの身を案じる女王はそれを許しません。
仕方無く、ダイアナは夜が明ける前に密かに「ゴッドキラー」や「真実の投げ縄」などの武器を盗み出し、トレバーを連れて島を抜け出すことに。

画像:インターネット・ムービー・データベースより
ところが二人が船を出そうとしたそのとき、彼女の行動に気づいた女王がやって来ます。
ダイアナが外の世界へ出ることに反対だった女王でしたが、彼女の固い決意についに折れて、「この島を出ればもう二度と戻れない」と愛しい娘に永遠の別れを告げるのでした。
こうして、後にワンダーウーマンとなるダイアナは、トレバーと共に故郷の島を離れ、人間たちの暮らす未知の世界へと旅立ったのです。

画像:インターネット・ムービー・データベースより
感想
『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』で登場し、バットマンやスーパーマンと活躍したワンダーウーマンの出自を描いた作品です。
物語の冒頭はルーブル美術館で働くワンダーウーマンことダイアナのもとへ、バットマンことブルース・ウェインから写真の原板が届く所から始まりますが。
これは、ダイアナが『ジャスティスの誕生』でバットマンと出会い、彼と共に戦った後のことなんでしょうね。
そしてその写真から、彼女は遠い昔の第一次世界大戦の頃の記憶を懐かしく思い出します。
世間から隔離された島で大切に育てられたプリンスのダイアナでしたが、トレバーと出会うことによって故郷の島を離れて大戦中の混乱した世界へと旅立つことに。
これまで女王の娘としての英才教育も受け、才知に溢れたダイアナは本などから得た知識は豊富でしたが、実際に触れる初めてのモノや島とは違う人々との出会いは刺激的で。
トレバーと一緒にイギリスにやって来たときの、好奇心に満ちてキラキラした目をしたダイアナは、とてもチャーミングで引き込まれますね。
ちょうど『ローマの休日』のアン王女のようで、このへんはダイアナの魅力とともに楽しめるライトなストーリー展開になってますよ。
でも、やがてダイアナも人間の内側にある醜い部分に気づき始めて、だんだんと絶望を感じるようになっていくのがとても切ないです。
島で暮らしていた頃の、無垢で人の中の愛と正義を信じるダイアナが、それだけではない現実を知った今のダイアナへと変わっていく様子が描かれた後半は、観ていて少し辛いですね。
それでも、アレスさえ倒せばすべては解決すると信じて戦うワンダーウーマン。
物語の終盤では、神の力を発揮したワンダーウーマンによる壮絶な戦いが描かれます。
アメリカの批評家の中には、このラスト近くの戦闘場面は冗長で不要だという人もいたようですが、私はアクションシーンとしてかなり楽しめましたよ。
最終的に、誰かの犠牲によってしか世界の平和を守ることができなかったという結末には、やや残念で不満を感じましたが、映画としては十分に満足できる作品でした。
本作は『DCエクステンデッド・ユニバース』という、スーパーマンやバットマンの登場するDCコミックの世界観のシリーズの中の一つでして。
『ジャスティスの誕生』はもちろんのこと、同シリーズの今後の作品とのつながりも持っているので、これからがさらに楽しみ。
『ワンダーウーマン2』は2019年の年末公開が予定されてるようですが、それまでにも他の作品で登場するダイアナも観てみたいですね。
作品データ
●原題
Wonder Woman
●監督
パティ・ジェンキンス
●出演者
ガル・ガドット
クリス・パイン
●日本公開年
2017年
●上映時間
141分