コメディー?【映画レビュー】『教授のおかしな妄想殺人』あらすじ&感想(ネタバレ無し)
2020/04/02
TSUTAYA DISCASのDVDレンタルで映画『教授のおかしな妄想殺人』を観たので、その鑑賞記録です。
画像:シネマトゥデイより
あらすじ
陰鬱な表情で車を運転する、エイブ・ルーカス(ホアキン・フェニックス)。
彼は哲学教授で、この夏から赴任する東部の田舎町にある大学へと向かっているのでした。
大学では既に彼の噂で持ちきりで、「今度やって来る哲学科の教授は変人だ」との評判がすっかり広まっていました。
以前のエイブは若い頃から政治やボランティアの活動に熱心で、心は理想や情熱に満ちて世界を飛び回るような人物だったのですが、今の彼はまったくの別人のようです。
それは、彼の友人が海外での活動中に地雷で亡くなったり、妻が親友と浮気をしたりといったことが原因なのですが。
生きる意味や希望をすっかり見失ってしまったエイブは、毎日お酒を飲んでただ惰性のみで生きているだけの毎日。
どこか達観したようで、人との深い関わりを避けて厭世的に生きる彼の姿は、確かに変人と思われても仕方のない有様でした。
でも、そんな彼に惹かれる女性もいて、まず一人はリタ・リチャーズ(パーカー・ポージー)という大学の同僚。
画像:映画『教授のおかしな妄想殺人』公式サイトより
彼女は何の取り柄も無い夫との単調な生活に嫌気が差していて、どこか謎めいて陰のあるエイブに救いを求めるように近づいていきます。
そしてもう一人は、哲学科の講義を受けている学生のジル・ポラード(エマ・ストーン)で、彼女は自分のレポートがエイブに褒められたことがきっかけで彼に興味を持ち始めます。
画像:映画『教授のおかしな妄想殺人』公式サイトより
ジルはエイブを学生のパーティーに誘い、美しく聡明な彼女に好感を抱いたエイブは、気乗りがしないながらもそのパーティーに参加したのですが。
酔っ払った挙句に、家にあった銃で自らロシアン・ルーレットをやってみせるような、自暴自棄な行動をとってしまいます。
そんな危なっかしいエイブの様子を見て、ジルは既に彼氏がいるにもかかわらず、さらに心を奪われていき、二人で合う時間も増えていきました。
ある日のこと、エイブとジルがダイナーで食事をしていたとき、後ろの席で小声で話し込んでいる4人の会話が耳に入ったジルは、その内容にショックを受けます。
画像:映画『教授のおかしな妄想殺人』公式サイトより
それは、一人の女性が元夫との親権争いの裁判で、判事の不正によって子供を取り上げられそうになっているという話でした。
財力もコネも無い女性は、どうすることもできず、心労ですっかり参っている様子。
それを秘かに盗み聞きしたエイブとジルは、見ず知らずの赤の他人のことながら悪質な判事に憤慨し、正義が行われない世の中を嘆くのでしたが。
このときエイブの頭に、ある計画が思い浮かびます。
最初はちょっと思いついただけのその計画は、次第に大きく膨れあがり、もうそれが頭から離れなくなってしまうエイブ。
そして、ついに計画を実行に移すことに決めてから、彼の人生は一変するのでした。
感想
ウディ・アレン監督は世界的に評価が高くて、彼や彼の作品のファンは日本でも多いようですが。
私がこの作品を観る気になったのは、監督が誰とか関係なく、ただヒロインのエマ・ストーンが気になったからだけなんですよね。
最近では『アメイジング・スパイダーマン』シリーズや、『バードマン』でその姿を目にすることがありましたが、とてもきれいな女優さんです。
そういうわけで、とりわけウディ・アレン監督作という意識は無しに観たんですが、やや退屈な印象が残った作品でした。
そもそもタイトルに“おかしな”とかついてるから、コメディー系の映画なのかなと想像してたこともあって、それなのにちっとも笑える部分が無かった点に首を傾げてしまいましたよ。
あとでアチコチの解説やレビュー記事を見たところ、“ブラックコメディー”とか“シニカルコメディー”という表現で紹介しているものもあって、観る人が観ると笑えるのかもしれません。
ただそういうのは、もっぱらウディ・アレン監督による作品が好きな人の感想のようで、私のようにそういう嗜好の無い人にはウケないタイプの映画なのかもしれませんね。
マニア受けの良さそうな作品、という感じでしょうか。
けっきょくのところ、鬱気味の哲学教授の人生に対する考え方や生き方が、あることをきっかけに一変してしまうのですが、結末は・・・というストーリーなんですが。
確かに、人生なんてチョットした見方の違いで、どうとでも変わるものだということについては、共感を感じましたよ。
とにかく邦題から受けるイメージとは、まったく違う内容だったと感じた映画でした。
作品データ
●原題
Irrational Man
●監督・脚本
ウディ・アレン
●出演者
ホアキン・フェニックス
エマ・ストーン
パーカー・ポージー
●日本公開年
2016年
●上映時間
95分