橋本環奈は頑張った!【映画レビュー】『セーラー服と機関銃‐卒業‐』あらすじ&感想(ネタバレ無し)
2020/03/30
TSUTAYA DISCASのレンタルDVDで映画『セーラー服と機関銃‐卒業‐』を観たので、その鑑賞記録です。
あらすじ
両親を亡くして叔父に引き取られ、普通の女子高生として暮らしていた星泉(橋本環奈)。
ところがその叔父が実は「目高組」を率いるヤクザの組長で、しかも彼が暗殺されたことで、泉は無理やり跡目を継がされることになったのですが。
今では組を解散して残った3人の組員を店員として、組長から店長になって地元の商店街で「メダカカフェ」という小さなお店を経営していました。
ある日、泉の元に助けを求めてやって来たのは同じ高校に通う女子生徒。
彼女の話では、友達が所属する怪しいモデル事務所に大金を騙し取られたり接待仕事を強要されているということで、ヤクザの組長である泉の力を借りたいと言うのです。
泉は、自分はもう組長でもないし組は解散したと言いながらも、元組員の2人を連れて彼女と共にモデル事務所へと足を運ぶことに。
事務所に乗り込んだ泉は、その胡散臭さを見破り女性達に騙されていることを伝え、さらにオーナーにこんな詐欺商売はやめろと詰め寄るのですが。
そのオーナーは、こちらはバックに「浜口組」がついていると逆に脅しをかけてきました。
「浜口組」は元「目高組」の対立組織で、泉が組を解散することと縄張りである地元には手出しをしないことを条件に手打ちをした相手。
その「浜口組」が地元で悪事に加担していると聞いた泉は不審に思いますが、「浜口組」組長の浜口(伊武雅刀)は自分達はそんなモデル事務所のことなど知らないと答えます。
逆に泉のほうが妙な薬物入りクッキーを売っているのではないかと疑いをかけられ、身に覚えの無い泉は気になってそのクッキーの件を調べてみることに。
そしてそのクッキーの密売やモデル事務所の背後には、巨大なグループ企業としての表の顔を持ちながら裏では「堀内組」という暴力団の顔を持つ会社が暗躍していることが分かってきます。
ついにはグループ企業の社長の安井(安藤政信)による脅しに屈し、「浜田組」も「堀内組」の傘下に入ってしまいますが。
それに危機感を感じた「浜田組」組員の月永(長谷川博己)と共に、泉は地元の街を食いものにしようとしている「堀内組」と戦う決意を固めるのでした。
感想
映画『セーラー服と機関銃』というと、1981年に薬師丸ひろ子主演で公開された作品が有名です。
この『セーラー服と機関銃‐卒業‐』については事前の情報をまったく知らずに観たもので、てっきりその81年版のリメイクものだと思ってたんですが違いましたね。
本作は、『セーラー服と機関銃・その後‐卒業‐』として発表された赤川次郎の原作にインスパイアされて作られた、81年版の映画の続編に当たる内容になってます。
ですから前作で「快・・・感!」というセリフと共に有名なあのシーンも、この映画の冒頭で同様に機関銃を持った橋本環奈によって演じられていますが。
つまり前作では主に星泉が「目高組」を継ぐまでの顛末を描いているのに対して、本作では既に「目高組」は解散して星泉も組長ではない普通の女子高生に戻ってるんですね。
ただし続編とは言っても、つじつまが合わない部分もいくつかあるので、その辺はパラレルワールド的に受け止める必要はあるでしょう。
公開前は、「1000年に1人の逸材」とか「天使過ぎる」などの呼び名で有名な橋本環奈が主演する映画ということで話題になりましたが。
実際に公開された際は、あまり評価されなかった残念な作品でして。
私もアイドル映画には興味が無いながらも、知り合いが橋本環奈の大ファンであることから、話のタネにでもなるかという気持ちで観てみた次第です。
実際、ストーリーや構成的に無理があるような部分も多くて、作品としてのレベルはあまり高いようには感じられず。
特に元組長であるとはいえ単なる女子高生の主人公に対して、周りのほとんどの大人たちがあまりにも一歩引いたような態度をとることに違和感を感じたりしたんですが。
ただ橋本環奈の演技に関しては、新人アイドルにしては頑張ったなという印象を受けまして、一般的にもその評価が映画自体の評価の割に好意的なのにも頷けるものでしたね。
そういう意味で単なるアイドル映画と呼ぶには惜しいような気もしますが、やはり橋本環奈のファンじゃない人が観ると満足するに足りない作品とも思われ。
劇場公開時には人にすすめる気にはなれませんでしたが、今はレンタルDVDで観るくらいなら悪くないんじゃないの?と言いたい感じの作品でしたよ。
作品データ
●監督
前田弘二
●出演者
橋本環奈
伊武雅刀
長谷川博己
安藤政信
●日本公開年
2016年
●上映時間
119分