前代未聞の悪のりヒーロー誕生!【映画レビュー】『デッドプール』あらすじ&感想(ネタバレ無し)
2020/04/02
TSUTAYA DISCASのレンタルDVDで映画『デッドプール』を観たので、その鑑賞記録です。
画像:映画『デッドプール』公式ツイッターより
あらすじ
タクシーに乗った赤いコスチュームの謎の男、彼は料金も払わずに車を降りると立体交差道路の橋の欄干に座ってお絵かきなんかしながら何かを待っていました。
画像:インターネット・ムービー・データベースより
やがてその橋の下の道路に怪しげな車とバイクの一団がやって来たのですが、彼はそれを見つけるといきなりその車の上に飛び降りて大暴れを始めます。
銃や剣を使って次々に向かってくる連中を驚異的な身体能力で殺しまくる赤いスーツの男、いったい彼は何者なのか?
画像:インターネット・ムービー・データベースより
ここで時はさかのぼって、彼がまだ赤いスーツを着ける前の話になります。
彼の名はウェイド・ウィルソン(ライアン・レイノルズ)、元傭兵だった彼は金でトラブル解決を請け負う仕事をしながらニューヨークの片隅で荒れた生活をしていました。
あるときウェイドは行きつけのバーで、高級娼婦のヴァネッサ(モリーナ・バッカリン)と出会います。
その出会いがまさに運命と思えるほど不思議なくらい何もかもウマが合う2人はお互いに深く愛し合い、ついにウェイドはヴァネッサにプロポーズしたのでした。
画像:インターネット・ムービー・データベースより
幸せの絶頂の2人でしたが、そこに突然の不幸が。
急に倒れたウェイドが病院に運ばれて診察を受けたところ、なんと彼の全身は悪性の腫瘍に侵されていて余命いくばくも無い状態になっていたのです。
2人で一緒に病気と闘おうと励ますヴァネッサでしたが、こんな自分と一緒では彼女が不幸になると悩むウェイド。
画像:インターネット・ムービー・データベースより
彼女との別れを考えながら立ち寄ったいつものバーで、彼はとある男に声をかけられます。
その男はウェイドの病気を治すことができると言うのですが、死を覚悟していたウェイドにとってそんな眉唾な話は信じられるはずもありません。
しかし、男の名刺だけ受け取って部屋へ帰ったウェイドは眠っているヴァネッサの顔をじっと見つめているうちに、彼女のために生きることができるのならという気持ちから男の言葉に賭けてみることに。
病気が治らなければ二度とヴァネッサの元には戻らない覚悟を決めた彼は、別れの言葉も言わずに荷物をまとめて1人静かに出て行くのでした。
名刺の男に案内されて治療を受けるべく訪ねた施設でウェイドは、身動きが取れないようにベッドに拘束されました。
そこへ現れたのは、「エイジャックス」の名で呼ばれる男フランシス・フリードマン(エド・スクライン)。
彼は治療と称してミュータントの能力を目覚めさせる薬をウェイドに投与しますが、その薬はすぐには効果を発揮しません。
薬が効いて体がミュータント化するためには肉体や精神に一定以上の負荷を与える必要があるため、エイジャックスはウェイドを想像を絶する拷問にかけます。
画像:インターネット・ムービー・データベースより
それでも傭兵仕込の忍耐力と持ち前の体力で耐え切ったウェイドはついにミュータントとして生まれ変わるのですが、その代償とするかのように体中が焼け爛れたような醜い姿になってしまいました。
この施設で生み出したミュータント達を商品として売りさばくのが目的のエイジャックスは、ウェイドのその姿を見て商品価値が無いと判断し彼を処分することに。
それに気づいたウェイドは脱出のため隙を見て施設を爆破しますが、自らもミュータントであったエイジャックスとの格闘の末に倒されてしまいます。
しかし死んだはずのウェイドはミュータントとして驚異的な再生能力と不死身の体を手に入れていたため、廃墟となった施設からよみがえりヴァネッサの元へと向かいました。
一刻も早く愛するヴァネッサに会いたいと道を急ぐウェイドでしたが、通りかかった窓に映る自分の姿のあまりのおぞましさに彼女と会うことを断念。
これもすべてエイジャックスのせいと彼に復讐を誓い、醜い姿を赤いスーツで隠して名前も「デッドプール」と変えて、彼の居所を探すことに。
こうして不死身の体を持ち、憎むべきエイジャックスを捜し求める赤いスーツの謎の男「デッドプール」が生まれたのでした。
感想
この作品は、「X-MEN」で有名なマーベル・コミックのシリーズとして製作されたものです。
ただ実は「デッドプール」ことウェイド・ウィルソンは、同シリーズの作品として2006年に公開された『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』で1度登場してまして。
そのときはキャラクターとしては陽気でおしゃべりなところは似てますし、演じる役者も同じくライアン・レイノルズなんですが、それ以外の点では本作とはまったく様子が異なって描かれてるんですね。
ですからいろいろと矛盾があるんですが、原作に忠実という意味でもコチラのほうが正統派と言えるようですし、おそらく例によって前の設定とかは無かったことにして本作が今後のスタンダードとなるんだと思われます。
ただ「X-MEN」と同じシリーズにしては、この『デッドプール』はテイストがまったく違ってまして、シリアスと笑いが3対7くらいの割合で笑うシーンが多い作品になってるんですね。
しかも主人公が根っから下品でひねくれてて口は悪いし、やることもかなり無慈悲で人を殺すことさえ躊躇わずにやってのけるタイプですから、とてもマーベル・ヒーローとは言い難い。
その代わりにジョークや楽屋落ちのネタなんかがアチコチにちりばめられてるんで、それらが理解できるだけの事前の知識があったらいろいろと楽しめる所が多いんですよ。
さらに主人公は不死身で、とてつもなく身体能力が高いので、心行くまでアクションシーンが堪能できる作品にもなってます。
そういった意味で、既に劇場で観た人も含めて、いろいろと小ネタを調べつつDVDなどで何度も観て楽しむことができる映画といえるでしょうね。
もちろん「X-MEN」シリーズを観たことがなくても十分楽しめる作品なので、「ウルヴァリン」なんて知らないという人にもおすすめです。
作品データ
●原題
Deadpool
●監督
ティム・ミラー
●出演者
ライアン・レイノルズ
モリーナ・バッカリン
エド・スクライン
●日本公開年
2016年
●上映時間
108分