帰ってからが大変【映画レビュー】『超高速!参勤交代 リターンズ』あらすじ&感想(ネタバレ無し)
2020/04/02
TSUTAYA DISCASのDVDレンタルで映画『超高速!参勤交代 リターンズ』を観たので、その鑑賞記録です。

画像:映画.comより
あらすじ
陸奥国磐城(現在の福島県いわき市)の湯長谷(ゆながや)藩の藩主である内藤政醇(まさあつ、佐々木蔵之介)は、江戸老中の松平信祝(のぶとき、陣内孝則)の策略によって5日の内に江戸へ参勤するように命じられます。
普通なら10日はゆうにかかる距離をたった5日で行くということは、つまり通常の倍のスピードで「超高速」に旅をしなければならないということです。
それは、湯長谷藩の領地内にある金山を奪う目的で信祝が命じた無理難題だったのですが、政醇は家臣達の協力と知恵によって、どうにか期限内に江戸に到着することができました。

画像:映画.comより
さらにこの企みが露見した信祝は、罰として謹慎処分が下され、江戸城内での権力を失うことになります。
すべての問題が解決し、政醇たち一行はホッとして国許への帰路に着くのでしたが、帰りのことはまるで考慮してなかったために路銀も無く、またも困難が予想される故郷への道を歩き出したのでした。
(ここまでが、前作のお話)
「行きは参勤、帰りは交代、まだ参勤交代は終わってねぞー!」

画像:映画.comより
とはいえ路銀も尽きて仕方無く、江戸から程ない距離にある牛久の宿に身を落ち着けた一行。
その宿場町で各自の特技を生かし、さまざまな手段でお金を稼いでようやくある程度の蓄えができたところで、政醇と元女郎のお咲(深田恭子)との祝言を開くことにします。
参勤の途上で出会った二人は気持ちを通じ合い、30両でお咲の身請けをした政醇は、彼女を側室として迎えることにしたのでした。
祝いの席で盛り上がる政醇たちでしたが、そこへ飛び込んできたのは江戸にいるはずの家老の瀬川。
慌てながら話すその内容によると、国許の湯長谷藩で一揆が起こり、状況確認のために幕府から派遣された目付けよりも先に藩へ戻り、事態を収束させなければ藩はお取り潰しになるとのこと

画像:映画.comより
既に馬で出発した目付けが藩に到着するのは遅くとも2日後、それまでに政醇は国許へと帰り着いて一揆の始末をつけなければなりません。
参勤で「超高速」で来たときでさえ4日かかった道、それを今度は半分の2日で旅しなければならないというわけです。
実はこのことも、自分への処遇を逆恨みした老中の信祝による再度の謀略によるものでした。
祝言の席を急いで切り上げた一行は、お咲だけは早籠に乗せ、自分達はすぐさま駆け足で宿を発ちますが、来たときよりもさらに金も時間も無く苦労も倍増し。
しかも道中でお尋ね者として手配されたり、謎の刺客達に襲われたりするなどの障害が行く手を阻みます。

画像:映画.comより
それでも知恵と工夫と、「飲まず、食わず、眠らず、休まず、止まらず」という決死の努力で足を進める政醇たち。
ところが、その頃既に江戸と湯長谷藩では、信祝による恐ろしい企みが進んでいたのでした。
感想
2014年に前作の『超高速!参勤交代』が公開され、それが好評だったのを受けて2年後に作られた続編ということで。
コメディ時代劇として前作もけっこう面白かったんですが、今回もナカナカの面白さでしたよ。
ただ前作は参勤交代を超高速でやらなければならないという設定で、そのテンヤワンヤの道中の様子を中心に面白可笑しく描いた作品でしたが。
今回は作品名こそ同様ですが、内容は参勤交代よりも国許へ戻ってからのほうが大変で、どちらかと言えば道中よりも帰り着いてからの様子が、お話のメインになってます。
ですから、前作ではいろいろ工夫したり苦労したりして『超高速』で江戸へ向かう様子が面白かったわけですが。
本作ではそういった辺りの尺が短めなんで、その分コミカルなシーンも少なめなような印象を感じましたよ。
とはいえ笑える部分はもちろん盛り込まれていて、まるでコントのようなワザとらしさも感じつつ、コメディ映画としての笑いも楽しめましたね。
さらに、やはり時代劇ですから、いわゆるチャンバラシーンもありまして。
コメディ映画の割には殺陣として魅せるところはシッカリと魅せてくれまして、主人公たち武士が柳生の忍びを相手取って剣を交えるところなんかはカッコ良かったです。
そして私が気に入ったのが、猿の菊千代の演技でして。
前作ではあまり印象に残らなかったお猿さんの存在だったんですが、本作では妙に目に留まったというか、けっこう存在感があったような気がしますよ。
周りで人間の役者さんがバタバタ騒いだりしてるのを意にも介さず、実に落ち着いてシッカリした演技を披露してて、とてもお猿さんとは思えない謎の名優ぶりが面白かったです。
それから今回は、私の好きな女優さんの富田靖子さんが参加してまして、登場シーンは少ないながらもピリリと存在感のある演技を見ることができて嬉しかったですね。
というわけで、前作を観て面白いと思った人なら、本作ももちろん楽しめる出来になってますよ。
もちろん、昔ながらのコメディ時代劇といった趣の映画が好きな人なら、前作を観てなくてもそれなりに楽しめる作品ではないかと。
作品データ
●監督
本木克英
●出演者
佐々木蔵之介
深田恭子
西村雅彦
寺脇康文
伊原剛志
上地雄輔
柄本時生
六角精児
古田新太
●日本公開年
2016年
●上映時間
119分