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内容盛りだくさんエンターテイメント【映画レビュー】『天空の蜂』あらすじ&感想(ネタバレ無し)

2020/04/04

TSUTAYA DISCASのDVDレンタルで映画『天空の蜂』を観たので、その鑑賞記録です。

映画『天空の蜂』

画像:映画.comより

あらすじ

1995年8月の朝早く、湯原( 江口洋介)とその妻、そして小学生の息子の高彦(田口翔大)を乗せた車が、愛知にある錦重工業の試験飛行場へとやって来ました。

今日は、湯原のチームが設計開発した巨大ヘリコプター「ビッグB」の納入式の当日。

ここ最近はそのヘリの開発で家にもほとんど帰っていなかった湯原は、家族への償いの気持ちもあって、久しぶりに妻子を乗せた車を走らせてここまで来たのでした。

途中の道の渋滞を見越して早く到着しために、時間を持て余した湯原達は、同じく幼い息子の恵太(池澤巧貢)を連れて来ていた同僚と一緒に控え室で待つことに。

長時間のドライブで疲れた上に無意味な待ち時間を強いられた湯原の妻は、このところ関係がギクシャクしていていることもあり、やがて湯原に対して不平を漏らし始めます。

そんな妻に苛立ちを感じた彼は、腹立ち紛れについ落ち着きのない高彦を叱りつけてしまうのでした。

泣き出した高彦をなだめた妻は彼を落ち着かせようと、恵太も連れて三人で自動販売機に飲み物を買いに行くのですが、その後子供達に先に戻るように言ってトイレへ。

部屋に戻ろうとした二人でしたが、中で湯原が同僚に話している言葉を耳にした高彦は立ちすくんでしまいます。

部屋の中では、父親としての自分に自信が持てない湯原が、妻に子供を任せて別居を考えていると話していたのでした。

それを聞いて父親に見放されたような気持ちなった高彦は、悲しい思いを紛らわせるように、部屋には戻らず恵太と一緒に建物の中を探検して回ることに。

やがて無人の格納庫にたどり着いた二人は、そこにあった「ビッグB」を見つけます。

ヘリの後部ハッチが開いているのを見つけた高彦は、嫌がる恵太を連れてその中へと忍び込んだのですが。

そのとき、信じられないことが起こります。

操縦席に誰も乗っていない「ビッグB」が突然動き出し、高彦と恵太を乗せたままユックリと格納庫を出て行くではないですか。

慌てた二人はハッチへと駆け出しますが、その間にもローターが回り始め機は飛び立つ体勢に。

その頃、高彦達がいないことに気づいて心配していた湯原は、フト見た窓の外で動いている「ビッグB」を見つけます。

嫌な予感に部屋を飛び出し、急いで「ビッグB」のところまで駆けつけると、ハッチから中にいる高彦達の姿を目にして飛び降りろと叫ぶ湯原。

怖がる恵太を突き落とすようにして辛うじて脱出させた高彦でしたが、既に地を離れた「ビッグB」から自分は飛び降りることができず、機体はそのまま上空へと。

何とか高彦を助け出そうとハッチに飛びつく湯原ですが、その執念もむなしく手を滑らせて落ちた彼を残して、「ビッグB」は高彦を乗せたまま空高く飛び去って行ったのでした。

映画『天空の蜂』

画像:allcinemaより

次に「ビッグB」が姿を現したのは、遠く福井県にある高速増殖炉「新陽」の上空。

巨大な機体は、稼働中の原子炉を狙いすますように、その真上にホバリング状態で静止していたのです。

映画『天空の蜂』

画像:allcinemaより

そして、ちょうどその頃、犯人からと思われるFAXが届きます。

そこには、

「ビッグBの燃料が切れる8時間以内に、日本国内にあるすべての原子力発電所を発電不能になるまでに破壊すること。さもなくば、大量の爆発物を積んだ機体が、原子力発電所に墜落することになるだろう」

といった内容が書かれていました。

こうして、正体不明のテロリストと、湯原たちとの闘いが始まったのでした。

感想

1995年に刊行された東野圭吾さんの同名の小説を原作とする作品で、映画の舞台も小説と同じく今から20年以上前の1995年になってます。

原子力発電の問題を主なテーマとした小説であり映画でして、東日本大震災が起きた2011年をはさんで、その前後に小説と映画が作られたという点でも興味深いと言いますか。

私は小説のほうは読んでないんですが、震災の前に小説を読んだときと、震災後に映画を観たときとでは、間違い無く感想が違ってくるのでしょうね。

この映画が扱ってる内容は、まずテロ行為に対する対策を含めた諸々の原発問題、そして技術の進歩と利用方法、いじめ、政治による事実の隠蔽、さらには震災についてまで、いろいろと少しずつ含まれてまして。

幕の内弁当のように盛りだくさんで満腹になりそうですが、それらをうまくエンターテイメントにまとめて、最後まで飽きさせずテンポ良く観せる作品になってますよ。

しかも、それらある意味デリケートな内容を扱いつつ、何かしらのイデオロギーを主張したり、あるいは主義主張を押し付けるところが無いのも好印象を感じる映画です。

タイトルの『天空の蜂』というのは、テロリストが脅迫文で自らを名乗るときに使った名称からきてますが、さらに新規開発の大型ヘリコプターの通称、「ビッグB(Big Bee=大きな蜂)」にもかかっています。

この巨大ヘリ「ビッグB」がけっこうリアルに描写されてるんですが、これは内部はスタジオセットを用意して、外観はCGで作られたとのこと。

そして一番の見所として挙げたいのは、やはりそのヘリの中から子供を救出するところでして。

私は高いところが苦手なんで、なおさら高度800mで繰り広げられるハラハラドキドキの展開を観るのは、フィクションと分かっていても手に汗握る思いでしたよ。

本作は、そういったスリルとサスペンスの要素もありつつ、テロリストを追う刑事達にも焦点を当てた推理や謎解きの要素もあって、ストーリーがとても面白く出来上がってます。

原発の構造や、乗っ取られたヘリの仕組みなど、技術的な件で説明が少し多くなってしまった嫌いはありますが。

それでもダレることなく上手く話が流れに乗って感じられるのは、もちろん堤幸彦監督の力も大きいでしょうが、やはり東野圭吾さんの原作の出来の良さもあるのでしょう。

2時間を超える長尺をさほど長いとも感じることなく、最後まで楽しめた作品でしたね。

原作には無い、映画オリジナルのラストのくだりも爽やかで感慨深いですし。

まだ観てない方には、是非とおすすめしたい映画ではないかと。

作品データ

●監督・脚本
堤幸彦

●出演者
江口洋介
本木雅弘
綾野剛
仲間由紀恵

●日本公開年
2015年

●上映時間
138分


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