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エンタープライズ撃沈!【映画レビュー】『スター・トレック BEYOND』あらすじ&感想(ネタバレ無し)

2020/04/02

劇場で映画『スター・トレック BEYOND』を観たので、その鑑賞記録です。

映画】『スター・トレック BEYOND』

あらすじ

前作から3年経った宇宙の果て、とある惑星から話は始まります。

宇宙探査船エンタープライズ号の船長ジェームズ・T・カーク(クリス・パイン)は、2つの異星人の種族間の争いを調停すべく、単身で一方の種族の星に降り立ち和平交渉に臨んでいました。

戦闘意思の無い証として彼に託されたのは、箱に収められた小さな古い遺物のような武器が一つ。

カークにはそれが何なのかは分かりませんでしたが、とにかくその武器を根拠に停戦の説得を試みたのです。

ところが邪推にとり憑かれた種族の代表者は、その武器さえも敵の悪質さの証と考えて、調停を受け入れるどころか仲間と共に一斉にカークに襲いかかります。

宇宙人たちと格闘しながら説得は不可能と悟ったカークは、大急ぎでエンタープライズへの転送を指示し、服までボロボロになりながらも何とか帰艦するのでした。

5年の調査航行に出てから既に2年以上が経ちますが、こんなふうに異星人と接触しながら続く毎日に、カークは疲れのようなものを感じていました。

人工重力に引かれて歩く宇宙船の床や、完全に閉じられた空間とその中で暮らすクルー達だけとの人間関係、そういった全てに倦んだような気持ちに囚われていたのです。

そんな彼の様子を何となく感じ取っていた“ボーンズ”こと船医のレナード・マッコイ(カール・アーバン)は、2日後のカークの誕生日の祝いだとスコッチを差し入れ、それとなく彼を励まします。

一方、エンタープライズ号は物資補給とクルーの休養のため、宇宙に浮かぶ球体基地ヨークタウンへと進路を定めました。

そこは科学技術の粋を集めて造られた巨大な基地で、多くの種族が争うことなく共存しており、惑星連邦の平和のシンボルとも言える場所でした。

映画『スター・トレック BEYOND』

画像:インターネット・ムービー・データベースより

ヨークタウンに到着したエンタープライズが物資を補給する間、クルー達は船を下りてしばらくの休息のためにそれぞれ散っていくのでしたが。

バルカン人の使者に呼び止められた副船長のスポック(ザカリー・クイント)は、パラレルワールドの未来の自分であるスポック大使が亡くなったとの知らせを受けます。

映画『スター・トレック BEYOND』

画像:インターネット・ムービー・データベースより

それを聞いたスポックは深く思い悩む様子で、彼もカーク船長と同様に何かを胸のうちに秘めているようです。

その頃、カークはヨークタウンの提督に呼び出されていました。

映画『スター・トレック BEYOND』

画像:インターネット・ムービー・データベースより

話は、カークが提出していたヨークタウン副提督のポストへの異動申請の件だったのですが、そのとき緊急の通信が入ってきました。

それは、ここから程近い星雲の中にある星で遭難した仲間の船を助けて欲しいという、異星人の女性が乗った小型艇からのものでした。

映画『スター・トレック BEYOND』

画像:インターネット・ムービー・データベースより

直ちに対応できる船がエンタープライズしか無いこともあり、カークは救助の任を買って出て、クルー達に緊急招集をかけてヨークタウンを出発。

助けを求めた異星人の案内で星雲へとやって来たところで、カークは船内放送でクルー達に告げます。

「我々はこれから星雲に突入して、基地との通信は不能になり孤立無援となる。しかし我々には強力な武器がある。それは、この船と君達クルーだ」

映画『スター・トレック BEYOND』

画像:インターネット・ムービー・データベースより

カークの激励を合図にいよいよ未知の惑星へと向かうエンタープライズでしたが、その目の前に急に現れた正体不明の物体がありました。

用心しつつ通信を試みるも反応の無いそれは、いきなり分散してエンタープライズに襲いかかります。

謎の物体に見えたものは実は小型の攻撃機の集まりで、まるでナノマシンのように互いに連携しあって波状攻撃を仕掛けてきたのです。

虚を衝かれたカーク達は慌てて反撃を試みますが、武器もシールドも効かず、無数の攻撃機の強固な機体による体当たりを受けてエンタープライズはエンジンを失い、ワープもできないまま大破してしまいます。

映画『スター・トレック BEYOND』

さらには船内に乗り込んできた敵による攻撃を受け、ついにカークはクルー達に船を捨てて脱出するよう総員退去命令を出しました。

バラバラになったエンタープライズは、ブリッジのある円盤部分だけを残しながらも惑星に墜落、散り散りに脱出したクルー達もほとんどが敵の捕虜になってしまうという最悪の状況。

果たしてこの敵は何者なのか、そしてカーク達はこの状況から無事生還できるのでしょうか。

感想

スター・トレックのリブートシリーズ、「ケルヴィン・タイムライン」の第3作目になります。

ちなみに「ケルヴィン・タイムライン」というのは、未来からタイムスリップしてやってきた異星人によって歴史が書き換えらることで生まれた、TVシリーズから続く『スター・トレック』の時間軸とは異なるパラレルワールド的な世界での物語を描くシリーズで。

スポック大使も未来からやって来ていて、本作のスポックからすると一応未来の自分なんですが、時間軸が別なので将来の自分がスポック大使とイコールではないという、チョットややこしい設定ですが。

とにかく「ケルヴィン・タイムライン」というのは、TVシリーズの各キャラクターの若い頃の話でありながら、別の時空のまったく異なる世界の話でもあるということですね。

さて、本作はおおまかに4章立てになってまして、まずはエンタープライズがヨークタウン宇宙基地に到着して、さらにそこから異星人救助に向かうまで。

そして正体不明の敵に襲われて船が大破墜落し、クルーが離れ離れになってしまうまで。

次に敵の惑星で仲間を救出するためにカーク達が活躍するシーンと、続いてヨークタウンへ戻って敵と戦う最終シーンという構成です。

ですから、話が半分もいかない所でエンタープライズが破壊されてしまうわけで。

スター・トレックの楽しみの一つでもある、ブリッジなどの船内でのカークとクルー達とのやり取りの場面は、ほとんど描かれないのがチョット残念な気もしますが。

その代わり、敵の惑星でカークだけでなく主要なクルー達が活躍するシーンが、ふんだんに描かれてるところがこの映画の見所です。

そしてその際に登場する新しいキャラクターの女性異星人がいまして、彼女は白塗り顔で見ただけでは誰だかまったく分かりませんが、ソフィア・ブテラという女優業もこなすダンサーで。

『キングスマン』でのメッチャ怖い義足の殺し屋の役が記憶に新しいですが、さらに本作で『スター・トレック』に参加したことで、今後もシリーズの新しい顔としての出演継続が期待されますね。

ところで前作から本作までの間に、スポック大使役のレナード・ニモイが亡くなってしまいましたが、それを受けて作品中でも役としての彼の訃報に触れるシーンがあります。

さらにエンドロールで、「レナード・ニモイを偲んで」というクレジットが表示されるんですが、その後に「アントンへ」とのメッセージも表れます。

実はこのシリーズで操縦士チェコフ役を演じていたアントン・イェルチンが、公開直前に自宅でサイドブレーキをかけずに停めていた車と門の間に挟まれて圧死するという事故がありまして。

ちなみに、本作の冒頭でボーンズがチェコフが隠していたスコッチをくすねて、カークの誕生日祝いとして2人で飲むというシーンがありましたが。

そのときにテーブルにあった3つ目のグラスは、ストーリーの流れではカークの父親に向けたもののように見えますが、実は亡くなったアントンに捧げられたものなんだそうですね。

重要な役を演じていた2人の役者を失ってとても残念ですが、このシリーズには今後も続いていって欲しいものです。

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作品データ

●原題
Star Trek Beyond

●監督
ジャスティン・リン

●出演者
クリス・パイン
ザカリー・クイント
カール・アーバン

●日本公開年
2016年

●上映時間
122分

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