古き良きハリウッドに愛を込めて【映画レビュー】『ヘイル、シーザー!』あらすじ&感想(ネタバレ無し)
2020/04/02
TSUTAYA DISCASのレンタルDVDで映画『ヘイル、シーザー!』を観たので、その鑑賞記録です。

画像:映画『ヘイル、シーザー!』日本公式フェイス・ブックより
あらすじ
舞台は1950年代の、斜陽がさし始めるほんの少し前のハリウッド。
巨額の費用をつぎ込んだ大作を生み出すことこそが、徐々にメディアとしての力をつけてきたテレビに対抗しうる唯一の方法と考えた当時の映画界は、華々しく輝く世界であると同時に金や権力の影が蠢く闇の世界でもありました。
そんな中で、巨大な撮影スタジオを任される総支配人のエディ・マニックス(ジョシュ・ブローリン)は、今日も教会の懺悔室で神父様に告白の最中。
総支配人とは名ばかりで、スタジオでの汚れ仕事を一手に引き受ける何でも屋もしくはフィクサーとして働く彼にとって、この懺悔室だけが心の安らぎを得る場所なのです。
そしてその夜も彼は、とある女優が契約外で勝手に写真撮影をして、小遣い稼ぎをしている現場へと乗り込んでいきます。
写真家を追い払い女優の頬に往復ビンタを浴びせて、泣きベソの彼女を車に放り込んで連れ帰る彼でしたが、こんなことは日常茶飯事。
映画製作に必要な段取りや調整の仕事はもちろん、あるときは役者や監督の相談や愚痴を聞き、あるいは役者が起こした不祥事をマスコミに知られることなく秘かに尻拭いをしたりの毎日です。
そんな彼が働くスタジオでは、現在『ヘイル、シーザー!』というローマ時代のシーザーとキリストとの出会いを描いた超大作の撮影が進行していました。
撮影現場では、主役の人気俳優ベアード・ウィットロック(ジョージ・クルーニー)がシーザーの役を演じていますが、その側でエキストラの2人が怪しいそぶり。
1人が小道具のカップの中に何か薬のようなものをコッソリ入れてますが、それに気づかずベアードは演技の段取りでカップの中身を飲み干してしまいます。
シーンの合間の休憩中に現場を離れた彼は、カップに仕込まれた何かの影響で意識が朦朧としてフラフラしているところを2人の謎のエキストラに連れ去られてしまうのでした。
一方その頃、エディは清純派女優のディアナ・モラン(スカーレット・ヨハンソン)に会っていました。
監督との不倫という彼女の醜聞について問いただす彼でしたが、世間の評判とは真逆で“アバズレ”の彼女のお腹には、誰との間にできたかも分からない子供がいると知ります。
ため息と共に解決策に頭を巡らせる彼の元に、今度は秘書から誘拐の脅迫状が届いたとの知らせが。
2人のエキストラによって拉致されたベアードは、何者かによって監禁され、10万ドルと引き換えに彼を解放するとの要求でした。
いったいベアードを誘拐したのは何者なのか、そしてエディは次々にやってくる問題に対処しながら、この誘拐事件をどう解決するのでしょうか。
感想
この映画は、ジョージ・クルーニー演じる人気俳優の誘拐事件を主軸に、50年代の華やかなハリウッドとその時代の映画を少しノスタルジックな思いと共に描いた作品です。
いゃ、ノスタルジックというのは私の主観によるものかも知れませんね、実際のストーリーは華やかで軽快でコミカルに進んでいきます。
何より、劇中劇として映し出されるいくつかのシーンが見事でして、まさに当時のハリウッド大作をそのまま取り入れたような映像で、そこを観るだけでも価値がある作品であると言っていいでしょう。
西部劇あり、ミュージカルありと、そこだけ切り取っても十分に楽しめそうですよ。
ただストーリーとしては、特に凝ったヒネリがあるわけでもなく、誘拐事件と言ってもスリルやサスペンスがあるわけでもないので、観る人によっては退屈でつまらない作品に感じられると思います。
ですから、昔の“総天然色”という売り文句がつくような作品を愛する人こそが、観るべき映画なのかもしれません。
もちろんそれ以外の人がこの作品を観ることで、古き良き大作映画に興味を持つ可能性もありますから、そういう意味ではたくさんの人におすすめしたい映画でもあります。
他の見所としては、少し間抜けでお人好しな感じの役者を演じるジョージ・クルーニーや、スカーレット・ヨハンソンの性悪女っぷり。
そして私はこの映画で初めて知ったんですが、田舎モノ丸出しの新人アクション派俳優を演じるアルデン・エーレンライクという若き役者さんがスゴく面白いです。
さらにミュージカルで軽快なステップを披露するチャニング・テイタムが出てたり、それら役者さん達に注目するのも楽しいですよ。
ともあれ、映画を愛する人なら、けっこう気に入ると思われる映画でした。
作品データ
●原題
Hail,Caesar!
●監督・脚本
ジョエル・コーエン
イーサン・コーエン
●出演者
ジョシュ・ブローリン
ジョージ・クルーニー
スカーレット・ヨハンソン
チャニング・テイタム
●日本公開年
2016年
●上映時間
106分