こんな殺人ゲームは嫌だ【映画レビュー】『VR ミッション:25』あらすじ&感想(ネタバレ無し)
2017/05/17
TSUTAYA DISCASのDVDレンタルで映画『VR ミッション:25』を観たので、その鑑賞記録です。
画像:映画.comより
あらすじ
部屋を飛び出した男は、とあるビルの25階に急ぎます。
たどり着いたそのフロアには、自分のほかに男5人と女2人が集まっていました。
彼を合わせたその8人は皆ゲーマーで、新しいVRゲームが体験できるという謎の招待状によってそれぞれ集められたのでした。
フロアのスピーカーから聞こえてくる音声に従い、タブレットを使って各自の情報を登録した彼らは、ボディースーツを着用するよう指示されます。
さらに隣室に行くよう案内された彼らは、そこでゲーム用の最新機能を持ったキャプチャースーツとヘルメットを付けることに。
画像:インターネット・ムービー・データベースより
それらを着用してヘルメットのシールドを下ろすとヴァーチャルな世界が目の前に広がり、オフィスビルの無機質な部屋が一瞬で戦場の廃ビルの一室に変貌したことに驚くゲーマーたち。
画像:インターネット・ムービー・データベースより
そこへ、いかにも鬼軍曹といった風体の軍服の男がやって来ます。
もちろんその軍曹もVR世界に作られた映像だったのですが、彼によるとこのビルの地下にテロリストによって爆弾が仕掛けられたとのこと。
そして8人が協力して各階にいるテロリストを倒しながら、制限時間内にその爆弾を解除することがミッションの目的であると告げられます。
画像:インターネット・ムービー・データベースより
さらに武器による攻撃は、スーツやヘルメットによって実際の痛みを体に与えるという仕組みになっていて、そのリアルさに喜ぶゲーマーもいれば不安を隠せないゲーマーもいました。
しかし優勝者には10万ドルの賞金が出ることや、部屋の出口はロックされて逃げ出せない状況にあるということもあって、しかたなく全員がゲームへの参加を決意します。
こうして彼らの予想もしなかった結末へと向かう、謎の殺人ゲームの幕が切って落とされたのでした。
感想
邦題の「VR」というのは、説明するまでも無いでしょうがVirtual Reality(バーチャル・リアリティー=仮想現実)のことでして。
つまりはリアリティー溢れる世界をコンピュータや機械によって作って、それを現実のように体験できる技術やシステムを「VR」と呼ぶんですが。
最近では「Play Station VR」なんかも出て、いよいよそれもSFではない身近なものとして体験できる時代になってきましたよね。
本作は、そのVRを使って作られた戦闘シュミレーションゲームに参加させられた人たちの物語です。
さらに「ミッション:25」というのは、そのゲームがビルの25階から順に下へ降りて行って各階の敵を倒していくというストーリーになっていることを示しているんですが。
原題のほうは『The Call Up』とシンプルでして、兵士の召集とか徴兵といった意味のようです。
本作は、イギリスの無名の監督が無名の俳優たちを使って、6週間という短い期間で撮った低予算のB級SF映画でして。
そのへんを考慮したうえで観れば、ナカナカ楽しめる作品になってますよ。
ただやはり低予算ですからセットにお金がかけられず、ビル内を舞台にした密室劇のような設定というのもあって、場面に変化が乏しいということや。
派手なアクションとか、目を見張るような映像といったものが無いということもあり、後半は少し退屈を感じてしまうかもしれませんね。
ただその分上映時間も短めなんで、ギリギリ飽きそうなところで結末へと向かうストーリーはけっこうよくできてるような気がします。
ラストはすべての謎が解き明かされてスッキリするといった感じじゃなくて、何となく宙ぶらりんな印象があるのでチョット納得できない気もするんですが。
とはいえ、CGを使ったVRゲームの描写なんかが、見所として楽しめる作品でしたよ。
例えば、ヘルメットのシールドを上げたり下げたりすることでリアルとVRとの情景が切り替わる描写とか、実際にこういうゲームがあったらこんな感じかな?とか思わせるシーンなんかは面白かったですね。
同様にVRゲームの話で、私も好きな人気アニメに『ソード・アート・オンライン』というのがありまして、そちらは体は使わず完全に脳内で展開されるゲームという設定でして。
そういうゲームも近い将来、現実のものになるのかもと思ってたんですが。
どちらかというと、本作のように実際に体を動かすVRゲームのほうが実現する可能性は高いと思われ。
いずれにせよ、これくらリアルなVRゲームも既にSFとか夢物語じゃなくて、現実に体験できる未来がすぐそこまで来ていると思うと楽しみですよね。
といった思いも感じつつ、それなりに楽しめた映画でしたよ。
作品データ
●原題
The Call Up
●監督
チャールズ・バーカー
●出演者
マックス・ディーコン
モーフィッド・クラーク
アリ・クック
●日本公開年
2016年
●上映時間
90分