バカ映画の真骨頂!【映画レビュー】『珍遊記』あらすじ&感想(ネタバレ無し)
2020/03/21
TSUTAYA DISCASのレンタルDVDで映画『珍遊記』を観たので、その鑑賞記録です。
画像:映画「珍遊記」公式サイトより
あらすじ
天竺をめざして旅をしていた僧侶の玄じょう(倉科カナ)は、とある村で山田夫妻=じじい(田山涼成)とばばあ(笹野高史)に出会いました。
その老夫婦は、あるとき空から降ってきた赤ん坊を「太郎」と名づけて育てていたのですが、その子が怪物のように大きく育って乱暴をはたらくようになり困っていたので、玄じょうが助けてやることに。
画像:映画「珍遊記」公式twitterより
じじいとばばあの話では、太郎は“ちんこ”と“屁”のパワーが強烈でとても手には負えないと言うのですが、玄じょうは修行で会得した法力で何とかすると自信満々です。
そこへ帰ってきた太郎と、玄じょうとの戦いが始まります。
画像:映画「珍遊記」公式twitterより
暴れる太郎に玄じょうも苦戦しますが、妖力を石に吸収させる呪文「妖気吸収石(パンパース)」と数珠の力によって、太郎から力を奪い体を小さくすることに成功します。
それでも変わらず常人を超える力を持ち性格も悪いままの太郎に恐れをなし、あれこれと難癖をつけて彼を玄じょうに押し付けようとするじじいとばばあ。、
これも仏に仕える身としての務めと玄じょうは太郎を引き取ることにして、呪文によって頭を締め付ける金の輪を太郎の頭にはめて一緒に旅をすることに。
ここから玄じょうと山田太郎(松山ケンイチ)との、天竺への長い旅が始まったのでした。
画像:映画「珍遊記」公式twitterより
そしてとある村にたどり着いた2人は、そこで村の人々から神のように崇められ、アイドルのように人気のある龍翔(溝端淳平)という男に出会います。
しかし実はその龍翔は、子供の頃に太郎によって鼻をブタの様につぶされてしまい、それ以来恨みを晴らそうと太郎の行方を探していたのでした。
画像:映画「珍遊記」公式twitterより
ついに太郎を見つけたと喜ぶ龍翔は、同時に玄じょうに恋をしてしまうのですが、果たしてこの3人の戦いと恋の行方は一体どうなるのでしょうか?
感想
この映画は、『珍遊記‐太郎とゆかいな仲間たち‐』というタイトルで連載されていた漫画を実写化したものでして。
私はチョットしか読んでないんですが、この原作漫画がとんでもないバカ漫画で。
それを映画にしたものですから、とんでもないバカ映画なんだろうと思ってたんですが。
思ったとおりのバカ映画で、予想を裏切らない作品でしたよ。
とはいえ、連載の長く続く漫画とは違って2時間足らずに収めなければならない映画ですから、ある程度まとまったストーリーが必要なわけで。
そのために、“龍翔”という原作には無いキャラを作って、そのキャラを軸にして話にストーリー性を持たせてます。
ですから意味不明なバカ映画ではなくて、話の流れはそこそこちゃんとしてるところは良かったですね。
ただそれが原因で原作とはテイストが大きく異なって感じられる部分も多いようで、原作漫画ファンにとっては納得のいかない出来らしく、結果として評価や興行成績は良くなかったようですが。
逆に原作をあまり知らない私としましては、思ったほど酷い映画ではなかったように感じられて、けっこう笑えたしナカナカ面白かったと思いますよ。
それから、そもそも私は倉科カナさんを目当てにして観たもので、そのクリクリ頭と下ネタ台詞などが十分に楽しめました。
坊主頭の三蔵法師といえば、かつて夏目雅子さんがTV番組で演じた役が有名ですが、そのときは三蔵は男という設定でした。
本作では女の三蔵法師ということで、いろいろとチャーミングなシーンなんかもあって、倉科カナさんの魅力が堪能できたのも嬉しかったですね。
加えて印象的だったのが温水洋一が格闘家の“中村泰造”として登場する場面でして、ここだけは必見といってもいいくらいの名アクションシーンでしたよ。
というわけで、期待して劇場まで足を運んだ原作ファンはガッカリしたかもしれませんが、さほど期待もせずレンタルDVDで観る程度なら十分に満足できる映画でしたよと。
作品データ
●監督
山口雄大
●出演者
松山ケンイチ
倉科カナ
溝端淳平
田山涼成
笹野高史
温水洋一
●日本公開年
2016年
●上映時間
100分