「話す技術」よりも「聞く技術」のほうが大事?聞き上手になるための具体的な方法
2016/10/04
会話というのは「8割聞いて2割話すのが良い」という言葉もあり、話すよりも聞くほうの技術が求められるものでして。
そこで私も話を聞く技術を身につけようと、「上手な聞き方が面白いほど身につく本」(著者:内山辰美)という本を読んでみました。
今回は、その中で参考になったところをメモとして記事にしますよ。
本の章立ては、以下のようになっています。
第1章:「聞き上手」がなぜ求められるのか
第2章:聞き上手になるためのあいづちと質問の方法
第3章:聞くためのマナーを身につける
第4章:【状況別】こんなときはどうやって聞く?
第5章:【実践】聞く技術はこう活用する
第1章は、話すよりも聞くほうが会話では重要であることの説明がされています。
そして第2章と第3章で、聞く技術として具体的な方法と、話を聞くときの態度について。
第4章と第5章は、実際にいろいろな状況で話を聞くときの例と、聞く技術が何に応用できるかを述べています。
会話において人の話を聞くときのテクニックを学ぶ上では、第2章と第3章が最も参考になる部分でしょう。
なぜ「聞く技術」が大事なのか
人は元々、自分の話を聞いて欲しいものです。
それは子供が話をするときに自分のことを話したがることからも分かるでしょうが、人の話を聞くよりも自分のことを話したいというのは人間の本質的な欲求のようです。
大人になると、周りの状況や相手の様子から自分のことばかり話していてはいけないと思ったり。
または自己開示をすることや話が下手だと思われることを恥ずかしいと思うようになって、自分から話をすることを抑えるようになったりしますが。
やはり心の奥では、自分の話をしたいとか聞いてもらいたいという思いは常にあるもので。
人の話を聞いてるときでも、「自分はそれにどう答えればいいだろう?」とか「次は何を話そう?」とか、聞きながらも頭の中で考えていたりするんですね。
問題なのは、そういったことに本人は気つかないもので、自分が「話し下手」だと言う人はいますが「聞き下手」だと言う人はあまりいないということ。
聞くのは話すよりも簡単だし、ただ聞いていればいいのだから技術など必要ないと考えがちなことなんです。
実際のところ、聞くということを意識していない人は、あまり上手な聞き方というものはできていないものだということをまずは自覚することが大事なんですね。
「聞き上手」になるための技術
相づち
話を聞くときに黙ったままというのは、相手に「話を聞いていないんじゃないか?」とか「何か内容に不満があるんじゃないか?」といった印象を抱かせるものです。
ですから「相づち」というのは、聞き上手になるために必ず必要なモノなんですね。
自分で意識していないと、小さな聞き取れない相づちをしていたり、単調に「うん」といった言葉の繰り返しをしがちですが。
やはりハッキリとした声で、聞き手の気持ちがこもった相づちをされたほうが話す方も話しやすくなるものです。
相づちには以下のようなものがあります。
- 通常の相づち:「はい」「そうですか」
- 同意の相づち:「なるほど」「わかります」
- 整理する相づち:「つまり、こういうことですか」「ということは、こう言いたいわけですね」
- 促す相づち:「それからどうしました?」「それで○○のほうはどうなりました?」
これらの相づちを自分の感情をこめて、うなずいたり首をかしげる等のボディーランゲージを交えながら使うようにしてみましょう。
さらに、これらの相づちに以下の一言を付け加えると、さらに相手が話しやすい気持ちになります。
- 「相づち」+「話のポイントの繰返し」
- 「相づち」+「共感・感想の一言」
- 「相づち」+「質問」
まず「話のポイントの繰返し」ですが、これは
「引越しの荷物が多くて大変だったんですよ」
「なるほど」+「引越し大変だったんですね」
「子供って元気なんで、相手をするのは疲れます」
「わかります」+「子供相手って疲れますよね」
というような形になります。
そして「共感・感想の一言」というのは、
「そうですか」+「それは良かったですね」
「なるほど」+「ほんとに残念でしたね」
というような形です。
最後の「質問」というのは、
「わかりました」+「つまりこういうことですね?」
「そうだったんですか」+「ところでアレはどうなりました?」
というように、そこまでの話の内容を確認したり、話の方向を変えたりするようなときに使います。
こういった「相づち」を使えるように意識することで、「聞き上手」へ近づいていけることでしょう。
聞く態度
もちろん、必要なのは言葉による「相づち」だけではありません。
どんな「相づち」をしても、顔を背けたままだったり視線が泳いでいたり、あるいは終始無表情だったりするのは問題です。
まず聞く態度として大事なのは豊かな表情ですが、日本人はあまり感情を顔に表すことがない傾向があり、特に男性は大きく表情を変えることが少ないようです。
基本的には、おおらかで微笑をたたえたような表情で、話しの内容に合わせて顔をしかめたり眉を寄せたりできるようになると良いですね。
こういった表情は、毎日何度か鏡を見ながら練習することで身につけることができるでしょう。
そして、話を聞くときは相手の顔を見るということも大事です。
ジッと見つめ続けるのはやり過ぎですが、目線がヨソを向いていたり顔を下に向けたりしたままでは、話に興味が無いように見えてしまいます。
要所要所で相手の目をシッカリ見たり、深く頷きながら視線を外すなどして、変化をつけながらアイコンタクトをとるようにしましょう。
まとめ
以上のようなテクニックで「聞き上手」に近づくことで、それを人とのコミュニケーションや仕事などに役立てることができそうです。
「話し上手」というのはよく言われますが、「聞き上手」というのはあまり注目されないものとはいえ、意外に「話す」よりも「聞く」ほうが重要になるシチュエーションが多いような気がします。
これからは意識して「聞き上手」になれるよう、気をつけていきたいと思いました。
「上手な聞き方が面白いほど身につく本」の中には、さらに具体的な状況別の細かい対応方法なども書いてあるので、気になった方は一読をお勧めしますよ。