それほど悪いヤツらじゃない【映画レビュー】『スーサイド・スクワッド』あらすじ&感想(ネタバレ無し)
2020/04/04
TSUTAYA DISCASの動画配信で映画『スーサイド・スクワッド』を観たので、その鑑賞記録です。
画像:シネマトゥデイより
あらすじ
ルイジアナ州にあるブラックサイト(極秘施設)であるベルレーブ刑務所には、通常の犯罪者として扱うには危険過ぎる能力を持った凶悪な囚人達が収容されていました。
まず「デッドショット」の異名をとり、あらゆる銃器に精通し4kmの射程からターゲットを狙撃する能力を持つスナイパーのフロイド・ロートン(ウィル・スミス)。
画像:インターネット・ムービー・データベースより
無敵の彼にとって唯一の弱点は別れた妻との間の一人娘でしたが、クリスマスイブをその娘と買い物に出かけていた彼の元へ舞い降りた黒い影。
それは、フロイドを捕らえにやって来たバットマンでした。
バットマンに抵抗し銃口を向けるフロイドでしたが、その前に立ち塞がり悪事はやめてと泣いて訴える娘の姿を見て、ついに彼は観念して大人しく逮捕され、この刑務所へ送られることになったのです。
画像:インターネット・ムービー・データベースより
次に、元は有能な精神科医だったハーリーン・クインゼル博士(マーゴット・ロビー)。
画像:インターネット・ムービー・データベースより
彼女はバットマンによって捕らえられたジョーカーの診察を担当したために、彼に恋愛感情を抱くようになり、挙句の果てに彼を逃がす助けをしてしまいます。
画像:インターネット・ムービー・データベースより
やがてジョーカーの影響で精神を病んでサイコパスとなり、「ハーレイ・クイン」の名でジョーカーと行動を共にしていた彼女でしたが、バットマンによって捕らえられ、この刑務所へと送られてきたのでした。
そしてブーメランを自在に操る「キャプテン・ブーメラン」と呼ばれ、殺人や強盗の常習犯だったディガー・ハークネス(ジェイ・コートニー)は、フラッシュに捕まってこの刑務所へ。
画像:インターネット・ムービー・データベースより
その他、炎を操る悪魔の能力を持つ「エル・ディアブロ」(ジェイ・ヘルナンデス)。
画像:インターネット・ムービー・データベースより
爬虫類に逆進化した強靭な肉体を持ち下水道に隠れて悪事を働いていた「キラー・クロック」(アドウェール・アキノエ=アグバエ)。
画像:インターネット・ムービー・データベースより
そして自ら開発した決して切れない特殊ロープを使う暗殺者「スリップノット」(アダム・ビーチ)らが、そこに収容されていました。
画像:インターネット・ムービー・データベースより
同じ頃、政府機関「A.R.G.U.S(Advanced Research Group Uniting Super-Humans)」の女性長官アマンダ・ウォーラー(ヴィオラ・デイヴィス)は、スーパーマンの亡き今、同じような宇宙人や特殊能力を持つメタ・ヒューマンによる攻撃に対抗し得る部隊について検討していました。
常人を超える能力に太刀打ちできるのは同じく能力者であり、しかも危険な任務に命を賭けさせても惜しくない部隊として、メタ・ヒューマンの犯罪者によって構成する組織「タスクフォースX」、それがアマンダの理想とする部隊でした。
画像:インターネット・ムービー・データベースより
女性考古学者のジューン・ムーン博士(カーラ・デルヴィーニュ)は犯罪者ではありませんでしたが、既にそのメンバーの候補者としてアマンダの元にいました。
実はジューンは古代の魔女「エンチャントレス」に取り憑かれていて、その魔女の弱点である心臓を持つアマンダによって行動を制限されていたのです。
「タスクフォースX」の承認を求める会議の席で、あまりにも危険なその実現に難色を示す政府高官たちの前で、アマンダはムーン博士に「エンチャントレス」になるよう命令します。
嫌々ながらも仕方無くそれに従い魔女に変わった彼女は、政府組織が長らく探しながらも手に入れられずにいた極秘文書をアッという間にテヘランから持ち帰ることで、その恐るべき力を誇示。
画像:インターネット・ムービー・データベースより
ついに「タスクフォースX」が正式に認可され、アマンダはいよいよその部隊のメンバーを揃えるためにベルレーブ刑務所へと向かったのでした。
刑務所で部隊の候補者であるメタ・ヒューマンたちを確認するアマンダと、部隊の指揮をとる任を与えられたリチャード・フラッグ大佐(ジョエル・キナマン)。
画像:インターネット・ムービー・データベースより
着々と「タスクフォースX」は、実現へと向かっていました。
しかしそんなアマンダの言いなりになるのを嫌った「エンチャントレス」は、常にそこから逃れる方法を狙っていたのです。
ある夜のこと、ムーン博士が眠った隙を突いて、彼女が意図することなく魔女がその姿を現します。
アマンダの元へと飛んだ魔女は自分の心臓を取り戻そうとしますが、厳重な防御装置に阻まれて叶わず、しかし代わりに自分の弟の封印を解くことに成功します。
蘇った魔女の弟は地下鉄の構内にその姿を現し、凶悪な力で周りの人間や電車までも飲み込んで巨大な魔人へと進化していきました。
画像:インターネット・ムービー・データベースより
この状況を収めるために、アマンダはフラッグ大佐とムーン博士を現場へと向かわせます。
強力な爆弾を「エンチャントレス」によって魔人の元へ運ばせて爆破する作戦だったのですが、そんな計画をあざ笑うかのように姿を消してしまう魔女。
フラッグ大佐の報告を聞いてすぐさま心臓を串刺しにするアマンダでしたが、魔女は弟である魔人によって張られた結界に守られて、その影響から逃れてしまっていました。
彼らの目的は、魔力によって周りの様々なものを飲み込んでその力を増大させ、最終的に人類を滅亡させることなのです。
いよいよ「タスクフォースX」が必要とされる事態に、メンバーが空港へと集められます。
ベルレーブ刑務所にいた面々は、首に超小型爆弾を埋め込まれていました。
逃げ出そうとしたり命令に従わなかったりした場合は、アマンダか指揮官であるフラッグ大佐の持つ装置によってそれを爆破され、首から上が吹き飛んで死んでしまうという仕組みです。
「デッドショット」は、そんな自分達のことを「スーサイド・スクワッド(自殺部隊)だな」と、皮肉タップリに自嘲するのでした。
さらに「カタナ」と呼ばれる仮面の女性剣士タツ・ヤマシロ(福原かれん)を加えて、初めての任務として魔女たちを倒すために軍用ヘリに乗り込む「タスクフォースX」。
画像:インターネット・ムービー・データベースより
彼らは魔女と魔人に打ち勝ち、この世界を救うことができるのでしょうか。
画像:インターネット・ムービー・データベースより
感想
この映画は、公開時に映画館でIMAX3Dで観たんですが、動画配信で吹替え版での再鑑賞です。
マーベルもDCも含めてアメコミ映画は好きでして、ドラマ版の『フラッシュ』なんかも観てるんで、このDC系の『スーサイド・スクワッド』も十分に楽しめましたよ。
それはやはり、バットマンが出てきたりフラッシュがチラッと登場したりする点で面白かったりということもあるんですが、それ以上にキャラクターのバラエティーが豊かなのが良かったですね。
今回特に気に入ったキャラは、観た人のほとんどがそうだと思いますが、私もその例に漏れず「ハーレイ・クイン」で、それから「デッドショット」でしょうか。
ストーリーとしては、ほとんどのメンバーが悪人の『スーサイド・スクワッド』が、元々は悪事を働いていた連中にもかかわらず正義のために活躍するというのが、アピールポイントとなってるはずなんですが。
悪人と呼ぶには意外に良いヤツじゃんっていう描かれ方なんで、何だか小悪党と言うかスケールが小さい悪人に感じられてしまいまして。
それぞれの能力にしたって、メタ・ヒューマンを集めるとかいいつつメンバー間の格差がとても大きくて、「エル・ディアブロ」なんかは完全に人間じゃないレベルなのに、それに比べると「ハーレイ・クイン」は特に能力の無いただのお転婆娘だったりしますから。
しかもよく考えると敵は魔女&魔人で、その能力はメタ・ヒューマンの比じゃないはずで、本気で魔法使ったら絶対勝てないだろとか思うんですよね。
そのへんは筋書きが甘いような気もしつつ、やはりそこは物語として仕方ないかなとか、まぁ何となく面白ければ良いじゃんとかいうユルい気分で観ないとダメなんでしょう。
何だかんだ言ってもマンガ原作ですから、あんまり細かいコト考えてたら楽しめないですよ。
とにかくマーベルの「アベンジャーズ」を中心としたシリーズと同様に、この作品も今後スーパーマンやバットマンを絡めたシリーズ展開に関わって続いていくらしいんで、今後のさらなる展開も興味深いですね。
マーベル系のアメコミ映画が好きな人ならDC系も楽しめると思うんで、シリーズとして『マン・オブ・スチール』から始めて『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』そしてこの『スーサイド・スクワッド』を観ていくと面白いと思いますよ。
作品データ
●原題
Suicide Squad
●監督・脚本
デヴィッド・エアー
●出演者
ウィル・スミス
マーゴット・ロビー
ジョエル・キナマン
ヴィオラ・デイヴィス
●日本公開年
2016年
●上映時間
123分