異次元動物園の楽しさ【映画レビュー】『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』あらすじ&感想(ネタバレ無し)
2020/04/04
劇場で映画『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』を観たので、その鑑賞記録です。

画像:シネマトゥデイより
あらすじ
魔法界で、行方の分からなくなった闇の魔法使い、グリンデルバルドの脅威が取りざたされていた1926年のこと。
ニューヨークの港で船を降り立った、一人の青年がいました。
名前をニュート・スキャマンダー(エディ・レッドメイン)というその青年は、実は研究熱心な魔法動物学者で、魔法動物を求めて世界各地を旅する途中で、この地に立ち寄ったのでした。
彼が手にした大きなトランクの中には、たくさんの魔法動物が魔法によって収められていたのですが、それは普通の人間達には知られてはならない秘密。
税関の手荷物検査でもその中身を確認されましたが、トランクの仕掛けでうまくごまかす彼でした。
その頃ニューヨークでは、得体の知れない何かによって建物が壊され、怪我人も出る事件が相次いでいたのですが、公式には事故として扱われていたその件も実は魔法が関わっているようで。
爆発でもあったように破壊された建物を調査している人の中に、アメリカ合衆国魔法議会の長官パーシバル・グレイブス(コリン・ファレル)の姿がありました。

画像:インターネット・ムービー・データベースより
そして、地中に隠れていた何かが再び暴れ始め、道路を壊しながら逃げて行くのを見て、まるで彼はそれが何であるかを確信した様子でした。
一方、ニューヨークの街を物珍しそうに歩くニュートは、銀行の前で演説する女性の声に足を止めます。
彼女は魔法使いの存在と、その脅威について声高に人々に訴えかけていました。
その様子に気をとられて、手にしたトランクから一匹の魔法動物が逃げ出したことに気づかないニュート。

画像:インターネット・ムービー・データベースより
逃げたのは「ニフラー」といって、小さなカモノハシのような姿をしてすばしこく、宝石や金などのキラキラ光るものが大好きな魔法動物です。
アチコチ動き回って、人々からアクセサリーなどを盗んでいる「ニフラー」にようやく気づいたニュートは、それを追いかけて銀行へと駆け込んでいきました。
回りに気づかれないように「ニフラー」の姿を探すニュートは、そこでパン屋の開業資金を融資してもらうために来ていたジェイコブ・コワルスキー(ダン・フォグラー)という男と出会います。
たまたま待合席に隣り合わせに座った二人でしたが、ニュートがそこを離れる際にウッカリ懐から出てしまった魔法動物のタマゴを見つけ、返してやろうと彼の後を追うジェイコブ。

画像:『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』日本公式サイトより
ところが「ニフラー」を追うことと、普通の人間に魔法動物のタマゴを見られたことで動揺したニュートは、慌ててジェイコブと一緒に銀行の金庫の中へ魔法で瞬間移動してしまいます。
そして、そんな様子を影からジッと見ていたのは、アメリカ合衆国魔法議会で働く女性、ポーペンティナ・ゴールドスタイン(キャサリン・ウォーターストン)でした。

画像:インターネット・ムービー・データベースより
ティナ(ポーペンティナ)は、ニュートが魔法使いであることを見破って、その動向を怪しんで銀行の外から後をつけて来ていたのです。
ようやく「ニフラー」を捕まえて、再び魔法でジェイコブと共に銀行の外へと抜け出したニュートでしたが、いろいろ都合の悪いことを見られたジェイコブをそのままにはしておけません。
忘却の魔法で彼の記憶を消そうとしますが、隙を狙って手にしたトランクでニュートを殴り倒して逃げ出すジェイコブ。
このとき二人が持っていたのが同じ形状のトランクで、それらが入れ替わっていたことに気づきもしなかったニュートとジェイコブでしたが、後を追おうとするニュートの前へティナが立ち塞がります。
彼女は、ニュートが魔法を使うところを普通の人に見られたことについて、魔法機密保持法に違反するとして捕まえて議会の本部へと連行します。

画像:インターネット・ムービー・データベースより
方やジェイコブのほうは、ニュートのトランクを持ったまま自宅へと帰り着いたのですが、それを開けてしまって中の魔法動物達を逃がしてしまうのです。
こうして、魔法使いのニュートとティナ、そして普通の人のジェイコブまでもが、これから起きる大きな事件の中心へと意図せず巻き込まれていくのでした。
感想
待望の「ハリーポッター」の新シリーズですが、ハリーがホグワーツに入学したのが1991年のことですから、この作品はそれから65年前の話になります。
でもその世界観はこれまでの「ハリーポッター」シリーズと同じですから、もちろんそれらとの関連を思わせる部分もいくつかあって、コアな「ハリーポッター」ファンにとっては、そのへんを見つける楽しみもあるでしょう。
そして今回は、シリーズで初めて原作者が脚本を書いているので、原作ファンにとっても違和感無く観ることのできる映画になってるんじゃないでしょうか。
私はあまり「ハリーポッター」について詳しくないし原作も読んだことがないんですが、もちろんそういう人でも十分に楽しめるようにできてるところが良いですよ。
主人公の若き青年ニュート・スキャマンダーは、実はこのとき著書を執筆中で、翌年それが発行されたのが、後々ホグワーツの教科書にもなる『幻の動物とその生息地』という本なんですが、それが本作品の原題にもなってるんですね。
ニュートは心優しい青年で、とりわけ魔法動物を愛していて、世界中を回りながらそれらを見つけて保護したり育てたりしてます。
作品中でその魔法動物達がたくさん出てきまして、グロテスクな形態をしてたり生き物とは思えないモノだったり、あるいは普通に可愛かったりするんですが、見ている内にけっきょく全部可愛く思えてくるのが不思議ですよ。
本作はハリーが活躍するイギリスからニューヨークへと舞台を移し、その場所の違いや時代の違いから、魔法界や社会の様子もいろいろと違って描かれてる部分も興味深いです。
当時のニューヨークでは一部の人達に魔法使いの存在が信じられているようで、しかもそれを脅威として排除するべきだと訴える人もいる状況らしく。
イギリスでは「マグル」と呼ぶ“魔法使いではない普通の人達”のことをニューヨークでは「ノーマジ(NO-MAJ)」と呼んでいますが、その「ノーマジ」に魔法使いの存在が知られないように監視しているのがアメリカ合衆国魔法議会です。
ですから、魔法使いが「ノーマジ」の見ているところで魔法を使うことは、議会の定めた法律で禁じられていて、もしも見られた場合はその記憶を消し去る義務があり、それを破った場合は逮捕されることになってます。
今回ニュートは「ノーマジ」のジェイコブに魔法を見られたにもかかわらず記憶を消し損なって、さらに偶然とはいえ魔法動物の入ったトランクまでも持ち去られてしまうことで、ジェイコブを事件に関わらせていくことになるんですが。
このジェイコブがとても良い味出してて、本作だけではなく、このシリーズに引き続き出てくればいいのになと思わせるキャラクタなんですね。
そういったキャラクタや、いろいろな魔法動物達など、ストーリーだけでなく登場人物(動物)のしっかりした描写を楽しめるのも、この映画の面白さになってます。
私は今回3D画面で観て、目の前に飛び出てくる魔法動物の映像にすごく感動したので、機会があるなら是非3Dで鑑賞することをお勧めしますが。
そうでなくても、2時間を越える長尺をまったく長いと感じさせない、最後に観て良かったと満足できるエンタテイメント作品だと思いましたよ。
この新シリーズは5部作として続くらしいんで、今後の続編も楽しみですね。
作品データ
●原題
Fantastic Beasts and Where to Find Them
●監督
デヴィッド・イェーツ
●出演者
エディ・レッドメイン
キャサリン・ウォーターストン
ダン・フォグラー
コリン・ファレル
●日本公開年
2016年
●上映時間
133分